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物語 『3匹の子豚』 [読み物・作品]

2011年11月に書きました。
特に推敲してません~書いたまま。

あちこち「つっこみ」が書いてあったのですが、
全部書けてないので、
それは削除しちゃいました(´∀`)

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20110525p.JPG
『3匹の子豚』

【第1話】
昔々あるところに、3匹の子豚が・・・いませんでした。
もう食べられちゃったから。

でも、別のところに別の3匹の子豚がいました。
別のところにも別の3匹の子豚がいました。
あっちにも、こっちにも。
世界中には子豚はうじゃうじゃいます。

なので、どこかの3匹にフォーカスしてお伝えすることは正直困難です。
うじゃうじゃいる世界の子豚の中から無作為に3匹を選んで、
調査を開始しようとしたところ、
我々が現地に着いた時点ですでに2匹が食べられていて1匹しかいませんでした。

これでは話になりません。
我々は「これじゃ話にならない!」と妙に的を射たような文句を言って帰ってきました。

そうはいっても、お話ができないと世界中の子供がブーブーと文句を言って、
子豚の大群よりもうっとうしい状態になるので、
また別の3匹の子豚にフォーカスして、何とかお話を始めることができました。

昔々、じゃなくてごく最近。3週間くらい前。
ヨーロッパの小さな国の、じゃなくて日本の、どこかの農園で。

3匹の子豚のお父さん豚は、
200匹の母豚に1000匹の子豚を産ませた、立派な種豚で、
いろんな意味で精根尽き果ててポックリ死んで幾年月。

3匹の子豚は、その父豚が死んだときにはまだ母豚のお腹の中で、
ある綺麗な満月の夜にオギャァ、じゃなくてブヒィと生まれたという
なんとも奇妙な、よくある話。

そんな境遇にあった3匹の子豚は、
「いつか立派な豚カツになるぞ!」と大志を抱くわけでもなく、
のほほんと無目的に育ちまくり、
みんなプヨプヨと皮下脂肪を蓄えていきました。
自分達の未来に何が待ち構えているかも知らずに。

ある日、母豚は言いました。
「あなたたちはもう立派な大人・・・には見えないけど一応大人なんだから、いつまでも親の豚足かじってないで自立しなさい!」
そういって母豚は笑顔で出荷されていきました。

母豚がトラックの荷台でゆれながら、今年の流行歌『私の彼はボンレスハム』を
鼻歌でブウブウ歌う姿を、仔豚達は見えなくなるまで見送りました。
とさ、おしまい。


【第2話】
本人達の意思とは関係なく、自立せざるを得なくなった3匹の子豚は、
母豚の残した財産がどれだけあったのかは知りませんが、
税金対策のために家を立てることにしました。

「立派な豚肉になってくれるなら」という条件で農家のおじさんの許可を取り、
牧草地の一角を借りて、めいめいに家を建てることにしました。

「めいめいに」と言ってもヤギや羊じゃありません。
・・・分からないなら結構!(怒)

長男豚はわらで家を作りました。
ふかふかでとても気持ちの良い家でしたが、
一週間もすると、すっかり跡形もなく消えて無くなっていました。
お腹が空いて食べちゃったからです。

次男豚は木で家を作りました。
しっかりとしていて、暖かい家でしたが、
牧草地を囲っていた柵を勝手に壊して使ったので、
農家のおじさんに怒られてしまいました。
裁判沙汰にまで発展し、結局家は取り壊されてしまいました。

三男豚はレンガで家を作ろうとしましたが、
レンガを焼くなんて高度な文明を豚が持っている訳もなく
仕方がないので、土を掘って穴の中に住みました。

狭くて、暗くて、湿っぽくて、体が汚れやすいけど、
家の中にいるとなぜか安心しました。

長男と次男も結局三男の家に転がり込み、
前と同じように3匹どろんこになって暮らしました。
とさ、おしまい。


【第3話】
ある日、農園にオオカミが入り込みました。
次男が壊した柵の隙間から入ってきたのです。

オオカミは3匹の子豚の家の前で言いました。
「僕は柴犬です。オオカミじゃありません」
仔豚達は「絶対ウソだ!」
と、声を揃えて叫びました。

「犬を見かけで判断するなんて酷いじゃないですか」
とオオカミは言いました。

長男豚は
「ドーベルマンの姿をした犬に、『僕、チワワ』と言われても信じられない」
と反論しました。
次男豚も
「土佐犬が、『僕、半分パグの血が混じってるんだよね』とか言っても信じない」
と反論しました。

オオカミはマジ悲しくなって涙ぐみましたが、
三男豚が
「まぁまぁ彼はまだ名乗っただけじゃないか。そこまで言うのは可愛そうだよ」
と言ってくれたので、なんだか救われた気持ちになりました。
思わず心の中で「僕、オオカミに生まれてきても良かったんだ」
とさえ思いました。
何かにつけ感受性豊かなオオカミでした。

オオカミ「確かに僕はオオカミかもしれない」
3匹「かもじゃねぇよ」
オオカミ「でもね、僕はちょっと君達が住んでいるこのステキナ家の作り方を教えてもらいたいなと思っただけさ。僕達オオカミも大自然の中で雨に打たれ、風に吹かれて寒い夜を外で過ごすのはいかがなものか、と」

オオカミ「そんな訳で、君達の素敵な家の中を、ちょと覗かせてもらっていいですか?
今日は『住まいの参観日』ですか?」
長男「ダメ」次男「ヤダ」三男「いいよ」
オオカミ「やっぱりダメですかそうですか・・・あれ?」
三男「いいですよ」
オオカミ「本当に!? わぁ、ありがとう!」
三男「どうぞどうぞ」
オオカミは嬉しそうに入ってきました。

大喜びのオオカミは鼻歌を歌いながら入ってきました。
その歌はなんと『私の彼はボンレスハム』じゃありませんか。
子豚達は「お前が歌うと洒落にならねんだよ」
と思いながら、裏口の穴から外に出ました。

家の中に入ってきたオオカミは、
「いやー、やっぱり素敵なお家ですね。僕にはちょっと狭いけど、あったかいや」
「本当にありがとう。この家を参考に、帰って早速、素敵なマイホームを作ります。
素敵な家庭を作ります」
オオカミは本当に感謝していました。

ところが、
3匹「えい!」ドサドサ!
3匹の子豚は力を合わせて、兄弟らしい絶妙の連係プレーで、
家の入口と裏口に土を被せて出口を塞いでしまい、
オオカミは生き埋めにされてしまいました。

こうして日本オオカミは絶滅したのです。
おしまい。


【第4話】
この話には後日談があります。
生き埋めにされたオオカミは、穴の中で3日間生き続けました。
食べ物も飲み物もなく、それでもマイホームを夢に見て、
必死で生きようとしました。
疲れ果てて目を閉じたオオカミの顔に光が当たり、
その光の先には農家のおじさんがいました。
農家のおじさんは何と、オオカミを助けに来たのです。

おじさんが言うには、
つい先ほど3匹の子豚は出荷されることになり、
出荷を逃れようと泣き、わめき、命乞いをし、あること無いこと懺悔した子豚達は
オオカミを生き埋めにしたことを、おじさんに告げました。
優しいおじさんはすぐにオオカミを助けにきてくれたのです!

オオカミが助けられた後すぐに、
3匹の子豚は出荷されてしまいました。
オオカミはおじさんの家で、
柴犬としていつまでも幸せに暮らしましたとさ。
おしまい。



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